BRONICA EC-TL
 中判一眼レフにも電子シャッターの時代が...。
昭和44年(1969)ASAHI PENTAX 6×7登場。
そして後を追うように
BRONICA EC 昭和47年(1972) ¥158,000(標準レンズ付き)
BRONICA EC-TL 昭和50年(1975)¥219,500(標準レンズ付き) 当機BRONICA EC-TLII 昭和53年(1978)¥219,500(標準レンズ付き)電気回路をデジタル方式に改良 
反面デチューンもある。
 
まずECですがざっくり言えばBRONICA S2の電子化バージョンアップでしょう。
レイアウトは多少の変化はありますがイメージは一緒です。
シャッター速度は低速域が伸びて4/1まで可能となりました。
なんと、ミラーが上下分割式(BRONICA S2で記しましたがこの方式を考えたことがありました) ファインダーの遮光幕が不要になりました。その他ミラーショックも軽減されてます。
ミラーアップが可能に。TTLファインダー装着可能。
 EC-TLはECのバージョンアップバージョン 
ミラーに露出計を内蔵し、ボディー単体で測光可能となった。
また中判一眼レフカメラで世界初となる絞り優先AE撮影を可能とした。
A シャッター釦

B AUTO撮影時のシャッター速度チェック釦

C シャッター速度環 S2とは反対側に移動 同軸に感度設定

D ヘリコイド取り外し釦

E 巻き上げノブ クランク付き

F 120:220の切替

G マガジンのフィルム巻き上げノブ
レンズ部はS2を参照してください。
操作部がボディ右側に集中したので左側はかなりシンプル
フィルム巻き上げ後 Bを押しながらAのレバーを下げるとミラーアップ シャッターを切ると復元
C シンクロソケット 底部に電子シャッター用電池室 電池はEVERREADY544 6V (すでに無い・6.2Vの4SR44Pが使えるらしい)
シャッター環は右側に移りました。円筒の側面にシャッター速度が表示されてます。
B 4s 〜 1 〜 1/1000 
中央のギザギザ釦を押しながら回転させるとフィルム感度の設定が出来ます。
この時代はまだASA/DIN表示です。
A 持ち上げるとファインダーフードが立ち上がる。

B ファインダーフード取り外し釦

C カウンター

D を押しながら

E を強く押し込むとマガジンの蓋が開く。

F ファインダースクリーン。交換可

矢印方向にスライドさせるとルーペが立ち上がる。
「 S2 」のフードと比較するとかなり進化しています。遮光性が格段にアップしてます。
AEに影響を与えないためには必須でしょう。
さらにルーペを収納してから前板を押すとワンタッチで折りたためます。
マガジンの引き蓋を強く押し込むとロックが外れ本体とマガジンが分離します。
撮影時に不要の引き蓋はマガジン背面に収納されます。
フィルムの装填です。基本的にはS2と一緒です。

ボディにマガジンを取付たまま、あるいはマガジンを取り外しても装填は可能です。

※写真にはフィルムが写ってます。
検証用に現像後の裏紙をスプールに巻いて装填した物です。 

撮影途中では裏蓋を開いてはいけません。
二つのつまみを矢印方向にスライドさせるとフィルムカートリッジは取り出せます。
A 空きスプールを上に取り付けます。

B フィルムは下段に。

C 圧板を捲くようにリーダー部を伸ばします。

D 上のスプールにリーダー部を刺し込みます。
※慎重にセンターを合わせます。弛みを取ってマガジンに装填

E クランクで巻き上げます。

F スタートマークと■を合わせて蓋を閉めます。

ボディのクランクで巻き上げます。10回転ほど。 Eでも可能ですがかなり大変です。お薦めできません。
で囲んだところにシャッター速度が表示されます。
ボディ前面の釦を押すと点灯いたします。(電池が切れているので点灯できません。)
 矢印をスライドさせると焦点板枠が持ち上がります。
フォーカシングスクリーンは交換可能です。
S2はミラーが下降式でしたがEC-TLは二分割で上に跳ね上がる部分でファインダーを遮光します。
その為ファインダー遮光幕が不要となりました。

手前部分のミラーは下降します。

S2 と大きさを比較してみます。EC-TLの方がボリュームがあります。
重量も200gほど重いです。

 BRONICAは、その後 セミ判のレンズシャッター式一眼レフ ETRシリーズ。

 6×6判のレンズシャッター式一眼レフ SQシリーズSQシリーズ

 6×7cm判レンズシャッター式一眼レフカメラ。  GSシリーズ を発売。

 一時代を作ったカメラメーカーでありました。

 が、その後TAMURONに吸収され 平成17年(2005) デジタルの波に押されて47年の歴史を終えました。