Canonet-QL17
昭和36年 初代Canonetがキヤノン(キャノンではなくキヤノンです)から発売されました。
中級機路線第一号です。価格は¥20,500(ボディ¥18,800/ケース¥1,800)でした。
私の記憶が確かならば...半世紀前に読んだ写真雑誌に、この価格設定は大卒初任給で購入できる金額云々とありました。
45mm F1.9〜f16 シャッターはB 1〜1/500

巻き上げは底部にあるトリガーレバーによる。端の方が折れて拳銃の引き鉄のように操作できました。巻き戻しはクランク。カウンターは自動復元。順算式。............。
レンズの周囲に水玉ドーナッツ。セレン式露光計の受光部がありました。
シャッター速度優先のEEでした。(マニュアルも可)

昭和39年(1964) Canonet S 発売 ¥22,800 
レンズがF1.7と大口径に。露光計がセレン式からCdsに。巻き上げレバーは軍艦部右に移動。


そして昭和40年(1965)Canonet S の QL版が発売されました。
¥24,100(¥23,300/¥1,800)
外観のデザインはCanonetそのものです。
ファインダー脇のブライトフレーム用の光を取り入れる曇りガラス。
二重像合致の為の斜めに切った窓。このシリーズの伝統的デザインです。
QLとは Quick Loadingの略 フィルムを誰もが簡単に装填できるようにしたシステムです。
当時、フィルムは自分で装填するものではなく購入時に写真屋に依頼するか詳しい方に装填して貰うのが当たり前の時代でした。
(私も頼まれて実にたくさんのフィルムを装填いたしました)
上の画を視れば分かると思います。通常のカメラと同様に巻き戻しクランクを引き上げフィルムを定位置に。

リーダー部のパーフォレーションを右側の白いギヤに噛ませて蓋を閉じればOKと言う画期的なシステムでした。

レンズ部は先端から シャッター環  二つ目が絞り環 F1.7〜f16 AUTO その絞り環の前にちょこっとあるのはM・X接点切り替えレバー。
ボディにもっとも近いのは距離環 0.8m〜∞ レバーで操作する。直進ヘリコイドです。
レンズ下部に 感度設定レバー ASAとDIN併記 太陽マークの脇にセルフタイマー設定レバー。
距離環のレバーが見えてます。
背面はあっさりしたものです。この個体はマニュアルでしたら撮影可能です。
電池(代替品)を購入すればAUTOも可能かもしれません。
 
※昭和44年(1969)New Canonet QL17発売 ¥26,500(¥25,000/¥1500)
40mmF1.7と若干広角に。ボディも計量コンパクトに。
専用ストロボを使用するとEE撮影可。M接点は廃止されました。