MAMIYA FLEX C PROFESSIONAL
 世界初のレンズ交換式 6×6センチ判二眼レフです。
※フランス製の「レックス・レフレックス(1949)」と言う二眼レフがレンズ交換可能であったが
撮影中交換するとフィルムが感光してしまった。
フィルム装填前にレンズを交換して使用するのが前提で完全なシステムとは言い難い機でした。
昭和31年(1956) ¥36,000 (当時の大卒初任給三ヶ月分ほどらしい)
このカメラに関しては MAMIYA FLEX C PROFESSIONAL と記載されている記事が殆どです。
しかし何処を視ても C PROFESSIONAL の文字は見当たりません。
C2 も同様です。もしかしたら発売当時は「C PROFESSIONAL」の呼称は無かったかもしれません。
2型・3型が出て初号機を 1型と後付けで呼ぶことは珍しい話ではありませんので
ちなみにC3になってからは「C3 PROFESSIONAL」の文字がカメラ本体にあります。
 義父の形見です。機能は何も問題が無いのですが外観が劣化してます。
革張りがところどころ捲れてます。
いくつものMAMIYAを持ってますが革張りに関しては?の物が殆どです。
私の所有しているもっとも新しいMAMIYAがRB67ProSなのですがこれも捲れ上がってます。
捲れ上がった革を急遽接着剤で貼りました。
A 絞り設定用レバー 絞り環は不動
B レンズ最外側がシャッター速度環 回し辛いです。MAX 1/400です。
C シャッターチャージレバー
D シャッター釦 下にスライドさせる。
E Dに連動 レンズから突き出ている三日月型のレバーが下がりシャッターが切れる
F シンクロ接点
G シンクロ切替レバー 少々扱い辛い
H レンズ固定金具
I このシリーズ唯一、二本の脚がある。
J 距離調節用ノブ この機種は片側だけ C2は両側にある
 二眼レフなので当然レンズは二つある。ビューレンズも撮影用レンズもMAMIYA-SEKOR 1:3.5 f=10.5cm とある。
 見た目も一緒です。二つとも同じレンズっぽいです。価格を抑えるためにビューレンズは安価な玉を使っている二眼レフが多いのですが。
MAMIYA FLEX C は、ラック&ピニオン・蛇腹を採用したことによりレンズ繰り出し量が非常に大きい。
そのまま近接撮影ができるレベルです。後の一眼レフRB67 RZ67へも引き継がれている。
A 左側に近接撮影用の倍率を記した目盛りがある。80mm・105mmレンズ用。
B フィルム装填用ツマミ。引くと装填可能に 引いた状態で回転させるとロックされる。
  装填がし易い。
C 巻き上げノブ 一齣巻き上げるとロックがかかる。
  下部のレバーで解除 内側に感度表示 シャフト部分にカウンターが。
D ロック・アンロック の切替ノブ レンズ取外しのワイヤー固定 遮光板が同調する。
E シャッター釦 下方向にスライドさせる。 上にある穴はケーブルレリーズ用ソケット
F 焦点調節用ノブ 次のモデルからは両側にある。
Bのフィルム装填用ツマミ 下が引いて回転させた状態。
レンズの着脱手順です。
A を UNLOCK にする。
B が突き出てきてレンズ固定のワイヤーロックが外れる。
  レンズを繰り出した状態ですとBが届かないのでロックが外れません。
C を下げるとレンズが外れます。
 UNLOCKにすると赤色のバーがファインダーの中に現れます。
左 LOCK状態 撮影レンズからの光がフィルムに届きます。
中 LOCKノブを廻すと下方から遮光板がせり上がってきます。
  中途で止められないのでフィルムキャップ(遮光板の下の半円形)を差し込んでます。
右 UNLOCK状態 レンズを取り外してもフィルムが感光することはありません。
ファインダーフードは道具不要で取り外しができます。
ファインダーは後部を上げるとワンタッチで開きます。たたむのは4動作必要です。
A ルーペ 何と外側にあります。次の機種からは内側に移動
B 左にスライドさせフードを後方に引くと取り外せます。
C 裏蓋開閉 ロックが無いので要注意
D フィルム駒数確認窓 小さすぎて視辛いです。
ルーペを起こしても完全に遮蔽されません。明るい戸外では少々視辛いです。
前板を折りたたむとスポーツファインダー(素通し)になります。
取り外しができると言うことはペンタプリズム仕様とかがあったのでしょうか?
まさかTTLファインダーとか?。いずれそういう形に発展させることを見込んだのでしょうか?
A この機種のみの脚 大型の三脚に取り付けられないとのことで次の機種からはありません。
B 先ほど気づきました。二本の爪のような金具。・・・裏蓋が取り外せました。
  もしかしたら220用の裏蓋が有ったのかもしれません。

   もっと早く気づけば撮影がだいぶ楽になったことでしょうに。

フィルム装填編です。例によって現像後に残った裏紙をスプールに巻き戻しての検証です。
フィルムはカメラ下部に装填いたします。
「巻き上げノブが上にあるので当たり前」とおっしゃる方がいそうですがユニバーサルプレスは巻き上げレバー側に装填する仕様でした。
リーダー部を少々引き上げて上部のスプールに差し込みます。リーダー部を軽く押さえながら慎重に巻き上げます。
A フィルムのスタートマークとカメラのを合わせて裏蓋を閉じます。
   ネット上にある殆どの解説がこう記されております。しかし問題が一つ。
B 巻き上げレバーを上から視たところです。が指標の位置に無いとリーダー部が正確に送られません。
一齣単位で送られてその都度 C のレバーを操作する必要があります。
蓋の裏側にある駒数確認窓で「 1 」の位置に合わせるのはかなり面倒です。
フィルムを装填するときはを確認してください。撮影終了後連続してフィルムを装填するときはこの作業は不要です。
スタートマークを合わせてをカウンターの確認して裏蓋を閉じて巻き上げると、所謂空送りが可能となりますが
ここで問題がまた一つ。いくらでも巻き上げが可能です。一齣も撮影しないで全部巻き上げられます。   故障・・・?。
C スタートマークを合わせてをカウンターの確認して裏蓋を閉じたらCのレバーを操作します。
D その後巻き上げノブを止まるまで巻き上げます。 これで「 1 」枚目が撮影」状態となります。
そんな方は滅多にいないと思いますが、このカメラを手に入れて実際に撮影しようと思っている方に
1 まずカウンターのを確認いたします。指標にが無い時は「C」のレバーと巻き上げノブで指標がを指すまで操作いたします。
2 フィルムを装填します。
3 リーダー部を慎重に上段のスプールに刺します。裏紙は薄い遮光紙です。リーダー部にはフィルムがありません。
少しくらいセンターから外れていても巻き上がります。これは悲しい結果となります。
撮影が終わってフィルムを取り出した時しっかりと巻き付けられてなくブカブカとなることがあります。
「筍状」と昔は言ってましたが・・・。
4 左右のずれを確認しながらリーダー部を送り、スタートマークを合わせたら裏蓋を閉じます。
5 「C」のレバーを一回操作します。
6 止まるまで巻き上げます。これで一枚目が定位置に来ます。 撮影可能です。
遺品には交換レンズが付いてました。
左上 標準135mm 右上 80mm かなり立派なケースに入ってました。
6×6判ですと105mmは標準としてはやや長め
標準レンズとは、一般的には画面の対角線程度です。
6×6判は縦長・横長どちらにも対応できる実はセミ判です。
6×6+45×45=5625 5625の平方根は75 75mmとなると 80mmは広角ではなく標準レンズですネ
80mmと105mmとはちょっと無駄な買い方のような気がいたしました。
・・・・このカメラが発売された時は80mmと1354mmの交換レンズが用意されていた。と、文献にありました。
計三本しか無かったのです。たぶん、交換レンズを購入すれば違った画が出来ると思った(または思わされた)のでしょうね。
 グリップも純正が付いてました。
フィルム装填時に故障品かと迷いましたが実働いたします。
このカメラも実写決定です。せっかくですから80mm・105mmの両方を用いて撮影してみます。
故人の供養にもなるかな...コロナ禍で墓参りにも行けませんので。
実写編