NIKONOS-V
昭和59年(1984) ¥73,000 (ボディのみ)
ニコノス ブイ と 呼ぶ人が殆どですが...
前のモデルが NIKONOS ・ NIKONS II ・ NIKONOS III ・NIKONOS IV-A ですので 「ファイブ」 が正式名称ではないかと...。
このカメラを語ると長くなりますが...ざっと 最初はフランス製 Calypso(カリプソ)です。
いろいろあって NIKONに III までは ほぼ同型です。
IV-A になって AE機能が加わり大きくスタイルが変わりました。
NIKONOS-V は IV-A にマニュアル露光機能が加わった物と思って差し支えないと思います。
このレンズは上下逆さまにも取り付けられます。
カタログ写真は正面から視て絞り・距離の数値が正常に視られるように撮られてます。
が、実際に撮影に使う時は 逆さまに取付た方が使いやすいのです。
このカメラはピントは目測です。絞りはファインダー内に表示されません。レンズの両脇に付いているノブを回転させて設定いたします。
カメラを上に向ける(カメラを上下逆さまに視る)と、数値が普通に視えます。......
と、言うことです。
 
電子制御式135判メタルフォーカルプレーンシャッター式防水カメラ 耐水深:50m

シャッタースピードはAUTOで1/30〜1/1000の無段階 マニュアルで1/30〜1/1000 M90 B。
しかしAUTOでは1/30以下でもシャッターが切れます。
ニコンのポリシーは精度がきちんと出せない機能についてはアナウンスしません。

 水中ではまず三脚撮影はいたしません。浮遊しながらでの撮影ではスローシャッターを使うことはまずありません。
スピードフラッシュ使用がほぼ前提ですからスローシャッターは不要と言って良いでしょう。  

レンズマウントは独特なニコノス専用マウント TTL中央部重点絞り込み測光
ボディカラーは このモスグリーンとオレンジ色があります。
サイズは146×99×58mm 700g (ボディのみ) がっしりとしていて重いです。

軍艦部です。左から巻き戻しクランク その周り同軸に ASA/ISOのフィルム感度設定ダイヤル
矢印の部分には黒色のプラスチックカバーが有ったのですが...。
たぶん沖縄の水深20mくらいの海底に。
実用上問題は無いのでそのまま使用してました。
巻き上げレバーは収納状態です。30°ほど引き出すと親指が掛かりやすくなります。ラチェット巻き上げ可能です。
同軸にシャッター速度環 1/30〜1/1000 B と M・1/90 Rは巻き戻し(釦は無い)
そのダイヤルの前にある?がシャッター釦です。
裏はファインダー以外は特に無し。 
ファインダーは水中眼鏡を装着していても覗けます。35mmレンズの視野です。

シャッター速度と露光警告のLEDライトが点灯します。

A 電池室 
B 電池蓋 防水耐圧の為にOリングが付いてます。
C 水中スピードフラッシュ用のコネクターが中にあります。
裏蓋を開くのも一般のカメラとは異なります。
矢印の開閉キーを起こしを押しながら反時計回しでロックが外れます。
Oリングが嵌ってますので、ややきついです。
 フィルム圧版はボディ側にあります。
Nikon L35 AWAD も同様の形式です。
圧版を持ち上げてフィルムを装填いたします。
縦走りフォーカルプレーンのシャッター幕が視えます。フィルム側は黒色です。
A シャッター釦
B シャッター釦ロック
C フォーカルプレーンシャッター幕 灰色 
D 露光計受光部
レンズ側のシャッター幕が灰色なのはレンズを通った光を反射させて受光部に送る為でしょう。 たぶん反射率18%のニュートラルグレーですね。
NIKONOS レンズ編です。 ↑ 左35mm 右20mm+水中用光学ファインダー
15mm 20mm 28mm 35mm 80mm 新旧取り混ぜて五つの焦点距離のレンズが販売されてました。
15・20・28mmは水中専用レンズでした。
35・80mmは陸上でも使用できました。また28mmは水中不可・陸上のみのレンズもありました。
(メーカーでは「陸上」と表記してましたが陸上よりも船上での稼働率の方がはるかに高く、水中以外と解釈されればO.K.でしょう。ちなみに地中も不可です)
80mmを除けば広角レンズです。その理由は水中ではできるだけ被写体に近づくことが絶対条件だからです。
澄んでいるように視えても実際に海の中に潜水すると10m先はかなり霞んで見えます。望遠レンズの出番はありません。
※28mm水中専用を陸上で試し撮りをしたことがあります。
歪曲はありましたが記念撮影程度ではO.K.だったような記憶が
(30年以上前のことですので記憶が不確かですが)
 昭和63年(1988)の価格表を視ると

 15mmF2.8N ¥180,000 水中用光学ファインダー ¥32,000

 20mmF2.8  ¥84,000  水中用光学ファインダー ¥20,000

 28mmF3.5  ¥42,000 水中ファインダー¥2,000

 35mmF2.5  ¥20,000 水中ファインダー(80mm兼用)¥1,200

 80mmF4   ¥42,000  水中ファインダー(35mm兼用)¥1,200

 28mmF2.8  ¥30,000  水中不可 陸上専用・防滴 ノブ式ではなく直進ヘリコイド

 水中仕様ですのでどれもかなり高価です。

 私は最初の一本は28mmでした。その後それを知人に譲って20mmを導入。撮り残したフィルムの処理と水上での記念写真用に35mmを導入いたしまた。

ピントと絞りの操作はレンズ両端に突き出たノブを回転させて行います。
28・35.80mmレンズ前面に絞り・距離が表示されます。
黒色のノブが絞り操作 左はf16 右 F2.5開放です。
青矢印の部分、指標が動きます。+赤矢印の爪が動きます。被写界深度の範囲を示します。
銀色のノブが距離ようです。左∞・右最短距離。上の窓中が動いているのが確認できるでしょう。
※通常は逆さまにレンズを取り付けるのですが説明用に・・・です。
20mmはレンズ前面に表示する余裕が無かったのでしょう。ノブに数値が刻まれてます。
数値を確認するにはこちらの方が楽でした。
実際の撮影はこれに水中スピードフラッシュを取り付けます。カメラを少々下げるだけで確認できるのはありがたいことでした。
※15mmは鏡筒に窓があり絞りと距離を上から確認できるようになってました。
20mm用の水中光学ファインダーです。アタッチメントを取り付けると28mm用水中光学ファインダーとして使用できます。
右上は 35・80mm用ファインダー 湧くだけのスポーツファインダーですね。 28mm用もほぼ同型です。
サードパーティ製の 35mm用接写装置です。早い話が接写リングです。
リングから伸びたアームの先に立てられた二本の棒の間が撮影範囲です。
ピントは丁度棒までの距離です。
例えば海底にいる逃げない小動物などはこれで囲むようにして撮影すればピント合わせ不要(予め設定しておく必要はある)です。
特殊なカメラですので説明がくどくなりがちですが...もう少し続けさせてください。
NIKONOS用 水中スピードフラッシュ編です。
左の小さい方がSB-105 単三4本を使用いたします。
以前はSB-103を使用していたがリコールで交換。
実はSB-103は故障して発光できなくなりました。
修理して使えるようになったのですがもう少し早めにリコール宣言をしてくれれば余計な出費を抑えられたのに。
右の大きい方がSB-102 単二6本です。
説明用に結構な量の写真を撮りましたが上記LINKでその大部分が不要になりました。
発光部とNIKONOSを接続するには(上から)グリップアーム・接続金具・ブラケットとの三つのパーツで構成されている。
ブラケットはアルミ板をプラスチックで覆ったものである。何故か理由は判らないが矢印の位置に穴が空けられている。
ここで強度不足を起こしている
二つ持っているブラケットの両方が僅かに湾曲。樹脂の部分に亀裂が走っている。
下段は5mm厚のアルミ板を加工して自作。充分な強度があります。
せっかく作るのですから一工夫してNEXUSアームが取り付けられるようにいたしました。
上が純正 下が自作のブラケット 問題なくアームが接続できます。
これを作ったときは工具もハンドドリルくらいしか持ってなくて苦労いたしました。
NEXUSアームを取り付けたところ。
発光部の位置の自由度がかなり増します。近接撮影の時は純正アームでは無理があります。
これも自作いたしました。
kodak アンダーウォーターフィルム用水中ストロボフィルター枠 です。
 SB-102 と SB-105 両方に使えます。
 NEXUSアームと純正アーム
SB-105 と SB-102