Nikon F4
  昭和63年(1988)F4 ¥225,000
Nikonフラッグシップ初のAF機です。そして昭和最後のフラッグシップ機です。
ボディデザインは「F3」と同様、ジュージアーロ(Giorgetto GIUGIARO)です。
シャッターは「F3」までの横走りから縦走りに変更。これにより最高速度が1/8000・シンクロ速度が1/250までアップ。 (他にもいろいろ要因はありますが)
マニュアル B 4/1 〜 1/8000  シャッター優先・プログラム時 30/1 〜 1/8000
測光方式も TTLマルチパターン TTL中央部重点 TTLスポット と選択可
自動露光は 絞り優先AE シャッター優先AE プログラムAEと「F3」からかなり進化しております。
モータードライブ内蔵。巻き上げ速度、4駒/秒。
グリップ部がバッテリー室 単三×4 けっこう大きいので手の小さい者にとっては扱いにくい。
同時発売された F4S  ¥239,000 違いはバッテリーフォルダー。
グリップ部に単三×3 底部に単三×3 巻き上げ速度が 5.7駒/秒
電池を分散させたことでグリップが細くなり握りやすさは向上。重量はさらに増大ですが。
私は F4S で購入。F用グリップも同時購入いたしました。
背面 F4 にはデーターバック装着 
矢印 フォーカスモードセレクトダイヤル C(コンティニアス)・S(シングル)・M(マニュアル) の3モード 現在のデジタルSLRと一緒。
 露光計連動レバー 跳ね上げることでAi-Nikkor以前の旧タイプレンズも使用できる。
 上からプレビュー釦外側のレバーミラーアップ用

   中段 フォーカスロックレバー

   下段 AEロック釦

 現在のNikon製デジタル一眼レフは この F4 の基本デザインを踏襲していると言ってもよいでしょう。

機能説明は極力やめて、単純に大きさを比較してみます。
まずは Nikon F とです。「 F 」 は 露光計・モーター無しの 素Fです。
(子供の頃、関西系のドラマで「すうどん」...これを酢うどんと思いこみ実際に食酢をかけて、むせたことがありました。)
ボリューム、だいぶ異なりますネ。
「 F 」・「F2」・「F3」 はモーター無しでしたら大きさは殆ど変わりません。
条件をそろえるために 「F3」 に 「 MD-4 」 を装着 
「 F3 」+「 MD-4 」 の高さが圧倒的です。
単三×8 と単三×4だけの違いとは思えません。
この状態の「 F4 」は底部に電池室がありません。
「 F3 」+「 MD-4 」 と 「 F4S 」を 比較しても まだ 「 F3 」の方の高さが勝ります。
しかし、「 F4 」の方が厚みがあり実際に持ってみるとボリューム感は「 F4 」の方が上です。
D一桁とも比較してみました。 
デジタルになるとフィルム巻き上げのモーターは不要なのですが D一桁の方が大きいです。
グリップに電池室が無いので細身になって持ちやすいです。
 軍艦部です。 「 F 3 」までの一桁機との大きな違いは...巻き上げレバーがありません。
電池が無いと何もできない機種ですが、電池は単三。何処でも容易に手に入ります。
A:電源スイッチ D一桁はほぼ同じデザインです。(フィルム給送セレクトはありませんが)
B:シャッター速度環 私的には液晶表示のものよりこのダイヤル式の方が好きです。「 F3 」の1/2000から一足飛に1/8000です。
当時のカメラ雑誌にこのシャッターの開発秘話がありました。軽くするためにトンボの羽をヒントにしたとか...
この辺をじっくり記したいところですが段ボール箱の中から写真雑誌を捜すのが面倒+長くなりますので割愛いたします。
C:露出補整ダイヤル 同軸に露出モードセレクトレバーがあります。私はM(マニュアル)とA(絞り優先AE)しか使いませんでしたが。 
D:デジタルになって消えた巻き戻しクランク・同軸にISO設定ダイヤル
このカメラはとにかくロックが多いです。久々に弄ると「!?」
A:レンズ着脱釦
B:フォーカスモードセレクトレバー 
C:シンクロターミナル / ホットシューがあるので使用頻度は少なかった。
D:視度調節ノブ / 当時は使うことない機能でした。が最近はこれだけではちょっと無理。補整レンズも使用しております。
E:測光モードセレクトダイヤル。スポット・マルチパターン・中央部重点測光
F:ファインダースクリーン露出補整表示窓 / スクリーンにより値を変更 操作はファインダーを外して行う。
ファインダーは交換式 F F2 F3 と比較するとだいぶ簡単になりました。
小:標準仕様のマルチフォトミックファインダー DP-20 
大:別売り アクションファインダー DA-20 接眼部から5〜6cm眼を離してもファインダースクリーン像をケラレなく視られた。
私はダイビング 水中写真用に購入。 価格はなんと¥70,000 普及機が購入できる値段でした。
DA-20を装着するとさらにボリュームがアップいたします。
TTL露光は出来ますがマルチパターン測光はできません。ゴム製のフードは取り外し可。
この他にもウェストレベルファインダー・高倍率ファインダーなどがありました。
A:電動巻き戻しレバー R1・R2の2レバー方式 リーダー部はパトローネの中に巻き込まれる。
それをしたくない場合はクランクを使う。私は適当なところでR2を戻し残りを手動にしてました。
B:アイピースシャッター用レバー
C:フィルム在否確認窓
D:レリーズソケット
E:バッテリーチェック釦 LED
F:カメラ取付ノブ 底部中央に三脚穴を設けるために背部から直角にギアを用いて操作する方式にしたものと思われる。
裏蓋右側の凸部は親指がかかり滑りにくくなっている。これもD一桁に踏襲されている。
ファインダーは視野100%。スクリーンの中央に合焦ゾーンのマークのみで煩わしさが無く視やすい。
他の情報(絞り値・露出補正値・合焦LED・シャッター速度等々)はすべてスクリーンの外側にあります。
裏蓋を開くにはクランクを引き上げる。これにもロックがある。
感度設定はDXコード読み取り式。手動設定可。
100feet(30.5m)の長尺フィルムを使用済みのパトローネに詰め替えて使用する者にはマニュアル設定は不可欠
※この為の「ディロール」と言う器具があった。
フィルムの装填は簡単になった。装填してリーダー部の先端を■に合わせて裏蓋を閉じれば自動的に空送りをする。
 グリップ中に単三×4 かなり嵩張るのでグリップ感は個人的には?。
高速用のMB-21と交換すると持ちやすくなった。縦位置レリーズも付いていたので常用していた。

 「 F4 」は私がもっとも使用したフィルムカメラです。水中迄同行させました。

 
実 写