OLYMPUS-PEN EES-2
 PENの命名は「小型軽量でペンのように携帯出来て気軽に記録できるように」と50年くらい前の写真雑誌で読んだ記憶があります。
初代PENは昭和34年(1959)に発売されました。

D Zuiko 2.8cm(当時はcm表示だった) F3.5
回転ヘリコイド 目測 露光計無し 全くのマニュアル機でした。

価格は¥6,800と家計に大きな負担は要しませんでしたが素人が扱うには難しいカメラでした。

※当時のフィルムは箱の裏におおよその露光の目安が記されておりました。
 晴れ f8 1/500 曇り f5.6 1/250 のように。フィルムにラチチュードがあってもどうでしょうか。
正確な露光を必要とするときは露出計が別途必要でした。あるいは卓抜とした 感!。

 それから二年。PEN-EEの登場です。
ピント合わせ不要の固定焦点。露光はカメラ任せのEE仕様。
EEとはエレクトリック アイ(電子の眼)の略です。

シャッター速度は前期型は1/60のみ。後期になって1/30と1/250に。
明るい時は1/250で絞りが自動的に対応。暗くなると1/30に切り換わり絞りが対応。
さらに暗くなるとファインダーに赤い透過プラスチック片が現れてシャッターが切れなくなる。
レンズ周辺の水玉ドーナッツがセレン式露光計(電池不要)の受光部です。
誰もがシャッター釦を押すだけで写真が撮れる時代が漸く来たのです。
価格は¥10,000でした。

カウンターは残数式。フィルムを装填したときに自分で合わせました。
裏側にあるノブで巻き上げると一目盛りづつ進みました。

ボディカラーは銀梨地に黒革貼がスタンダードだった時代にグレーでした。
無骨な私が持っていても似合いませんが、可愛い女子高生が構えると、お洒落な感じで絵になりました。

このシリーズは OLYMPUS によると 8機種あるとのこと。
EE(1961) EES EES-2(私の所有している物) EE-2 EE-3 ここまでは殆ど同デザイン。
ぱっと見一緒。
 私的にはシリーズ外だと思うのですが(色も形も機能も異なりますし)
EM(モータードライブ) EED(セレン式からCds露光計へ) EF(フラッシュ付き・Penシリーズの最終モデル/1981) 実に20年です。
 そして2009年 デジタルミラーレス一眼に再度PENが登場
 OLYMPUS PEN E-P1(ハーフサイズではなくフォーサーズですが)

 前置きが長くなりましたがPEN EES-2(1968)です。

ASA400の好感度フィルム対応。鏡筒最前部の銀色の環を回して感度設定をする。ASA50〜400。
この時代はASA(American Standards Association/アメリカ)かDIN(Deutsches Institut f?r Normung/ドイツ)ISOは未だ使われていない。ASA=ISO ASA100=DIN21・ASA200=DIN24・ASA400=DIN27)

カウンターは自動復元 価格は¥12,800
シャッター速度1/30 1/250 のプログラムシャッター 基本的に選択は出来ない。
明るさにより自動的に切り替わる
D Zuiko 30mm 絞りはF2.8〜f22

ピント合わせ 回転ヘリコイド 目測 (このシリーズ、EEの後にSが付く機種がピント調節可。Sの無い機種は固定焦点。ただしEEDとEMは可。EFは固定焦点) 鏡筒中央部の黒塗りの環を回して調節。

ホットシュー(コードレススピードフラッシュ対応)鏡筒にはAUTOとfor Flashの文字が。
回転させると任意の絞りに設定できる。これはスピードフラッシュ用。
オートフラッシュはまだ無かった。
ガイドナンバーを距離で割りその値を絞り環で合わせた。
本来の使い方では無いが1/30でマニュアル撮影が可能。
EESはファインダー脇にSの赤文字があったのですがEES-2になって省略(何故?)
裏側です。巻き上げノブとファインダーのみ。実にシンプルです。
フィルムを入れずに巻き上げ、シャッターボタンを押してみました。!。切れました。
絞りも稼働してます。シャッターも明るさによって変化してます。使用可能です。
両肩にストラップを取り付ける金具がありますがネックストラップをつけている方を見たことがありません。
右側に付属していたハンドストラップを取り付けたままの方が殆どでした。
ソフトケースも片側に穴が空けられていてハンドストラップをケースの外に出せました。
裏蓋は蝶番式になってます。 内部もまあまあ綺麗です。
フィルムを入れて撮影してみたくなりました。
ヤフオクで検索 完動品が¥3,000〜¥13,800 コレクター以外の需要もあるらしい。
「やっぱりフィルムの味がぁ...」と宣っていたまだ若い婦女子がおりました。
その方がフィルムを使ったかどうか。あるいは使い続けているかどうかは不明。