MUSE SIX MODEL-II
東成光機製 「MODEL-II」 とありますので I もありそうと思い調べてみました。「 I 」は見つかりませんでしたが 「MODEL-II」 の刻印の無い物がありました。まあこれが 「 I 」 なのでしょう。
さらに調べると MODEL-IIB もみつかりました。

レンズ部に TOSEI Anastigmat 1:3.5 f=80mm とあります。シャッター速度は B 1 2 5 10 25 50 100 200 シャッター速度が刻まれたリングを回転させて設定。

レンズ下部のレバー(TKSのTの位置)はセルフタイマーです。
狭い位置に付いているので操作しにくいと思いましたがレンズ上部の三重〇を押し下げるとセルフタイマーレバーに連結してました。

Kの位置にあるのはシンクロ接点。
絞りは開放F3.5〜F22 絞り環ではなく指標を動かします。
先端が距離環 最短撮影距離は 4feet(約1.2m)回転ヘリコイドです。
距離環と絞り値の間にあるレバーでシャッターチャージ。セルフコッキングは無し。
軍艦部左が巻き上げノブ。裏蓋の窓からフィルムの裏紙の駒数を読み取る方式です。
アクセサリーシュー前の釦を押すとレンズ部が繰り出されます。シリアルNoの右側がシャッター釦。右端の同心円は特に機能はありません。デザイン上の飾りでしょう。
裏蓋にフィルム駒数を読み取る窓が弐つあります。

上は 4.5×6 下は6×6 。このカメラはセミ判と6×6の両仕様です。

裏蓋を開けるとフィルム面の両脇に回転軸(銀色)があります。
それに遮光板が取り付けられております。
フィルム装填時にセミ判か6×6判を選択します。途中で切り替えはできません。
フィルム室のスプロール受け軸は押すと下に下がります。
 
余談ですが一眼レフでサイズの途中切替を可能にした機種が過去にありました。
KONICA AUTOREX 昭和40年(1965) 軍艦部に切り替えレバーがあり途中でフィルムサイズを変更できました。
ただ少々困った問題も、現像後に135ですと6駒ごとに切り反します。ネガフォルダーもそのサイズでした。上手く撮り分けないと中途半端になることがあります。途中でハーフサイズを使う時は2の倍数駒を撮影する癖が必要でした。
アイデアとしては面白かったですが後継機にこのシステムがありません(たぶん)ので多くの人が必要とする機能では無かったのでしょう。

※このカメラも昭和44年に使用したことがあります。

底部は中心に三脚ネジ穴。両端にフィルムスプール受け軸。こんなところまで革張りにしてます。
このカメラの素性を調べるのはかなり困難でした。 MUSE SIX で検索してもオークションサイトに行き当たるだけでして。
頼みの綱の「カメラ発展史」にも記載がありませんでした。ただ MUSE FLEX が見つかりました。Meispiiの東郷堂製のボルタ判二眼レフでした。東郷堂製とは思えなくて レンズ名から漸く一部の情報を得られました。この段階で発売日、価格は不明でした。
検索の範囲を国外まで広げると......。
Flank-SIX と言う名称で輸出されていたモデルの一部らしいことが判明いたしました。
製造は昭和3年(1954)〜 当モデルは MODEL-II ですのでこの少し後でしょう。
この機種は OEMの姉妹機がかなりあります。「Beauty Six」など...。
このカメラの作りはかなりしっかりしています。そろそろ70年になろうとしているのにシャッター(精度は?)・絞り・セルフタイマーなども稼働いたしました。

蛇腹の遮光性も保たれてます。撮影可能です。