アナライザーは一見複雑で難しそうですが実は作りやすいキャラクターです。
それは不定型な曲線が全くと言っていいほど無いからです。
制作には、ほぼ一日費やしました。と言っても遅い朝食を摂ってから始めて
昏くなる頃にはレンダリングをしてました......。
参考までに私の3D歴は一年弱です。
使用ソフト Shade debut & Photoshop 5.0J
Photoshopは主にテクスチャー用。無い方はペイントで大丈夫です。
参考にした資料は昭和52年発行のテレビランド増刊宇宙戦艦ヤマトです。
その中に設定資料として4cm角の正面図(無彩色)がありました。

やはり最初は頭部からです。
まず適当な大きさの球を作ります。
球の中心は原点(XYZ軸の交点)です。
変換して自由曲面にします。(001)
これは当分の間直接加工せずに残しておきます。

頭部の透明部分
(001)を均等拡大縮小しほんの僅か小さな球を作ります。
中心は原点です。正面図で90度回転させて経線を選択。
コントロールポイントの変更。
ZXキーを押しながら透明ドームの赤道よりやや左の点を
追加。
切り替えて新設された緯線を残し右部分を消去。
半球よりやや小さい形状が出来ました。
左図は更に下半分を消去しましたが
ボディ内に隠れますのでそのままでも結構です。
水平に鏡面コピーをします。(002)

計器盤が並ぶドーム
001を縮小コピーし002よりも小さい球を作ります。
左図は半球になっていますが002同様にボディ内に
隠れますのでそのままでも結構です。(003)

002と003を併せてレンダリング
表面材質は随時設定します。その方が形状を
掴みやすいと思います。

001の赤道をコピーし自由曲面から出します。
下方向へ掃引、首?を作ります。(004)

004をコピー下へ直線移動
均等拡大をした後、垂直に縮小(005)
ギザギザはテクスチャーのバンプで与えました。

隔壁?
001のコピーから透明部分の隔壁?を作ります。
003の時に追加したコントロールポイントの両側に
新しいポイントを追加。不要部分を削除すると
リング状になります。蓋をして円盤が完成。
下半分はそのままでもO.K.鏡面コピー(006)

006までをレンダリング

放熱板?
001の赤道をコピー。自由曲面から出します。
円の1/4の扇形にして鉛直方向に拡大。
水平に掃引、面取りをします。
厚さの1/2だけ水平に移動頭部の中央に据えます。
コピー、移動で隔壁の中央にもう一枚。
更にそれを鏡面コピーします。(007)

007までをレンダリング
だいぶそれらしくなってきました。

計器盤はまず頭頂部に水平に作ります。
そのコピーを拡大縮小して適当な位置に貼り付けます。
台形の回転体ですから苦労はありません。(008)

こんな具合です。適当に表面材質を変えてみました。
回転体の中央に円を追加テクスチャー.ピクチャーで
格子を入れました。

004の円をコピーし適当な幅に切り取ります。
更にそれを縮小コピーします。
記憶、追加で合体させ特別、形状の状態を見る、
閉じた線形上にチェックを入れます。
繋ぎ目のコントロールポイントを削除して扇の
紙の部分と同型を作ります。垂直に掃引。
上を僅かに狭めます。*をつけると首の部分に
くぼみが出来ます。分かりやすいように水色にして
いますが実際には黒メタリックです。(009)

凹部に小さな球を作ります。
*の影響を受けさせないために
パートに入れて!を付けます。(010)

凹部の外側にも小球を並べます。(011)

アンテナを作り首の両脇に配置。完成です。

ボディの制作に取りかかります。
頭部と比較すると難しいところは殆どありません。
 

004をコピー。鉛直方向に拡大します。
底を僅かに縮小します。(012)
蓋は有っても無くてもかまいません。

012のコピーを均等縮小します。(013)
012の中に013がすっぽり入った状態にします。
(同軸で底の垂直座標を合わせる)
!をつけて*の影響を受けないようにします。

半円を左右方向に縮小して掃引
ボディ上部の窪みを作ります。(014)
表面再質はボディと同色です。

012.013.014をレンダリング。
計器が入る窪みが均等の深さで簡単に出来ました。

004のコピーを上下に圧縮薄い円盤を作ります。(015)

005をコピー厚さと経を調節して015と組みます。
表面材質はボディカラーを僅かにくすませました。(016)

腰の部分は半球。
001のコピーを加工するだけです。(017)

小物を適当な位置に配置してレンダリング

 

股関節です。円の掃引体を作ります。
直径は腰のベルト部分と最下部と等しくします。
掃引する幅は腰の半径と等しくします。(018)

松本氏が好んで描く形状です。
凹凸はバンプでつけました。(019)

019のコピーを回転移動。
鉛直方向に拡大(020)

円の掃引体。
中央にクッションを作りました。(021)

半円の板を作りそれを更にコピー(022)

019を縮尺コピー(023)
それを更に鏡面コピー

018〜023までをレンダリング

長方形の掃引体
面取りをして突起をつけました。(024)

遊輪の取り付け部です。
キャタピラの内側に入りますので殆ど見えませんが
(025)

キャタピラ。上部は隠れてしまいますので
作る必要は有りません。
凹凸はバンプで与えました。(026)

遊輪。コピーして四個並べ
それを更に鏡面コピー。(027)

024〜027までをレンダリング。
最初作った物は戦車のようにキャタピラが左右に
二つありました。資料に合わせて一枚にしましたが
この形状だと脚はカバーに取り付けられていて
キャタピラ部分から浮いていることになる。

片脚が完成
それを更に鏡面コピー
 

最終工程の腕です。

円の1/4回転体です。
回転軸を円と同一平面上に置かないことで、
この様な形状になります。

(028)

円錐台です。
説明はもう不要でしょう。

(029)

腕も回転体。
上下二つ作ります。

(030.031)

肘関節部分。
鉛直方向に鏡面コピーします。

(032.033)

肘の軸部分です。
股関節をコピーし変形します。

(034)

028〜034をレンダリング
この画は肘の部分が曲げてありますが
本来、作製中には曲げません
手は長方形の掃引体を面取りし
円の掃引体を適当に組み合わせて指とします。
親指の付け根は股関節のコピーを変形です。

(035)

その他細々とした部品をつけて腕の出来上がり。
鏡面コピーでもう片方を作ります。
そういうことでアナライザーの完成です。

冒頭に一年弱と書きましたが本格的に始めて半年目の作品です。
誰にでも簡単に出来るとは言えませんが結構楽しい作業です。
(モデリングは絵を描くというより製図です)
3DCGとは模型を作るようなもの、と言った方がおりますが
それだけでは無いような気がします。
......私にとってはパズルを解くようなもの...でしょうか。
これから始めようとする方に参考になればと思い掲載いたしました。
1999/ 6/20