filmスキャナー6×7判を自作する。

Asahi-Pentaxs6×7 と MAMIYA-RB67ProS で撮影したfilmがたくさんあります。

NikonES-1で起こしたネガデーターが想像したよりも好結果でしたので6×7もなんとかしたいと思うようになりました。

最近の既製品のスキャナーはフラットベッドでしょうが、以前のスキャン結果はおもわしくありませんでした。

(たぶん現在はもう少し進化していると思いますが)

ES-1のビッグバージョンがあれば....と言うことで自作することにいたします。

A4の用紙に6×7cmの長方形を描き60mmレンズでほぼファインダーいっぱいになるようにいたしますと

30cmくらいの筒が必要になります。

6×7cmの対角線の長さは9cm強 それを踏まえて材料探しです。

行きついたところがホームセンターの塩ビ管です。

異サイズの継ぎ手100×65 

この100と65は、内径100mmのパイプと内径65mmのパイプを繋ぐものでして

広い方の内径は115mmで細い方の外径は82mmで長さは120mmでした。

filmの対角線から考慮すれば充分な内径です。6×9判にも対応できます。

2019/05 

しかし長さは充分ではありません。延長する必要があります。考えられる形状は上図のような形です。

中央はケラレるおそれがありそうなので左側を採用。

内径100mmのパイプで延長することにいたします。

ただし適当な長さに切ったパイプを取り付けるだけでは平面性に不安が...。

そこでストレートの継ぎ手をも購入。

100mmパイプは右側の画像のように、その継ぎ手を繋ぐために用います。主客逆転の使用例ですが...。

次の問題はこの塩ビパイプを如何にレンズに取り付けるかですが...

レンズのアタッチメントサイズは62mmです。
予めステップアップリングセットを購入しておりました。
最大径が82mm 4個使用で62mmに。しかし、塩ビのパイプの細い方の外径が82mmです。

このままではステップアップリングが嵌りませんので縁を加工する必要があります。

当初はヤスリでコツコツと径を狭めるしかないのかと思ってましたが.....!
木工用のトリマーがあることを思い出しました。
しばらく出番が無かったのですっかり忘れておりました。

5mmのエンドミルを取り付けました。
刃先はステップアップリングに合わせて数ミリ出しました。

ガイドから0.1mm〜0.2mm程度歯を出して少しづつ削ります。

数回刃先を出してなんとかピッタリ削れました。

shadeで作った画の様に綺麗にできました。
ステップアップリングを四枚連結して塩ビパイプに取り付けました。

ネジ止めにするか接着剤を使うか? 
けっこうきっちり嵌っているので不要かもしれません。

60mmマイクロレンズを取り付けたところです。(写真右)

塩ビ管をシリコンオフで油分を取り除き艶消しの黒で塗装。
内部だけで宜しいのですが塗料がたっぷりあるので外側も塗装。
高級感が出てきました。

ネガホルダーをどうするかいろいろ考えました。

引き延ばし機のホルダーを使用することを思いつきましたがそのままでは?。
塩ビの継ぎ手の加工が必要になります。しかし精度を考慮するとこれも?。

自作することにいたしました。
ポスターとかを貼るための「ハレパネ」の端切れがありました。
適当な厚みがありますのでネガをライトボックスから数ミリ離してスキャンできそうです。
ネガをおさえるのは....木版、厚紙、アクリル板などを検討いたしましたが適当な丈夫さと加工のしやすさからマグネットシートでとりあえず作ってみることにいたします。

ハレパネの端切れは150×200mmでした。
その中央を55×70mm切り抜きます。
(Pentax6×7の画像サイズは55×70mm・RB67はそれより1mm短かったと思います。)
マグネットシートは偶然にも200×300mmでした。これを二つに切断。
吸着力を調べてみると表面の吸着力はそれほどでもなく、裏と裏を合わせるとけっこう強力です。

マグネットシートの中央を55×70mm切り抜きました。

ハレパネの粘着面にマグネットシートを貼り付けました。

ネガの厚みを考慮。カッティングシートを貼り付けました。

当初は黒のシートを貼るつもりでしたが明るい色の方が老眼には扱いやすいかと思い急遽変更。

残ったマグネットシートの中央も55×70mm切り抜きました。

先に作った台の部分と重ね合わせ上辺を粘着テープ(とりあえずヒンジ替わりです。)でつなぎ位置調整不要といたしました。赤の破線部分です。

裏側の下辺に粘着テープを貼り厚みの調整をいたしました。

とりあえず完成です。ネガ以外にもマウントしていないリバーサルフィルムにも使用できます。

台にしているのはライトボックス 光源です。
フィルムホルダーは手を加えました。

(マグネットシートを使ったのは正解でした。フィルムを押さえるのが楽です。)

塩ビ継ぎ手にステップアップリングを装着
60mmマイクロレンズ+デジタル一眼レフで撮影いたします。

左:Pentax6×7で1975年頃撮影したネガフィルム(かなり劣化してます。

右:反転処理したもの。オレンジベースの影響でしょう、かなり青っぽくなります。

レベル補整をし、トーンを調整したもの 資料としては充分かと。

Photoshopでチャンネルごとに調整するとかなり追い込めます。