NexusF4改造計画

デジタルカメラも一眼レフが当たり前になってきました。
当然これを水中に持ち込もうとする者は少なくありません。
ハウジングメーカーを検索すると、ありましたいくつも。
値段は......カメラよりもかなり高額です。やはり!。
 
そこで銀塩F4用のハウジングをD100に使用できないか考えました。
F4アクションファイダー仕様なので容積的には問題無さそうです。

D100をフル機能では使用でき無いことは問題ありません。
水中用と割り切ります。

まずノギスでF4とD100の各部の寸法を測ってみました。
F4はアクションファインダー付です。
高さ、幅ともF4の方が上まってます。
ただしレンズ光軸から底部三脚穴までの距離が
D100の方が5mmほど長いです。
これをクリアすればなんとかなりそうです。

←↑ Nexus内部です。
手前の金属板にF4が取り付けられます。
この板を5mm下げなくてはいけません。

六角穴のあいたネジ二本で取り付けられていました。
はずしてみるとハウジングから二本のピンが出ていて
計4本で取り付けられていました。
アルミ平板とL板を組み合わせて水平部を5mm下げた
ものを作ります。

水平部分はF4用よりだいぶ狭いです。
こうしないとネジが締められないのです。
ハウジングに取り付けてD100を入れてみました。
どうもしっくりしません。
いろいろ調べてみますとD100のグリップ部分が
に当たっています。切り落とすことにしました。

右側を切り落として取り付けてみました。
強度的には問題無さそうです。
D100をハウジングに入れてみました。
納まることは納まりました。
しかしカメラが斜めに取り付けられてしまいます。

ストロボのコード部分がD100グリップ上部に当たっています。
NexusF4はオプションでストロボを二機取り付けられます。
私の持っているものはノーマル仕様で一つはめくら蓋です。
これを入れ替えることにしました。

カメラ三脚穴のネジは20山1/4と言うちょっと特殊です。
ホームセンターでみつけました。
しかし長さピッタリのものはありません。
グラインダーで削ることに、このときナットを嵌めて工作
することが肝心です。多少の山の崩れはナットを外す時に
起こしてくれます。

ハウジング前部に取り付け。
概ね良好なのですが僅かに光軸がぶれています。
取り付け板のネジ穴を修正。

F4では通常は24-50mmレンズをつけていました。
デジタル一眼は撮像板がfilm面積より小さいため
焦点距離1.5倍相当の画角に等しくなります。
水の屈折率によりさらに画角が狭くなります。
水の透明度、吸収を考慮するとワイドレンズが必要です。
選択したレンズはシグマの18-50mmです。
ズームリングも24-50mmよりも僅かに小径です。
24-50用のズームギアが使えそうです。

ズームギアを爪楊枝で仮止め装着したところです。
ハウジング外側からのズーム操作は問題ありません。
レンズポートを取り付けてもレンズ先端があたることは
ありませんでした。

いろいろ考えたがズームーリングにビニールテープを巻き。
径を太くすることにした。
気になるのは熱を持ったときだが
その時はまた考えることにする。
 

シャッターは当然外部から操作する構造である。
矢印がシャッターレバー。
これを引くことにより部分が手前に動いてボタンを押す。
F4とD100ではシャッターボタンの位置が異なる。
を調べて見ると六角穴ネジで留めてあるだけでした。
ネジを緩めてレンズ側に回転、固定。
数回の位置調整で使用可能となった。

ハウジング裏蓋を取り付けてみた。
またもや問題発生。D100の厚みのあるボディが
災いをしている。
ハウジング裏蓋のどこかにあたっているようだ。
じっくり調べると一番怪しいのはカードスロットル部分だ。
グリップを兼ねているので掌の形状にあわせてある。
外して再度復元可能か?。大丈夫そうである。
外して裏蓋を取り付けてみた。きっちり納まった。

次はストロボをどうするかです。水中用だから当然だが
D100の使用できるスピードライトの中にはSB-105は無い。
しかしハウジングメーカーでも使っているので
特に問題はないだろう。とにかくラインを繋いでみた。
発光はする。次は露光コントロールだ。
SB−105のTTL機能は使えない。
マニュアルで使用することになる。
しかし改造ハウジングには外部からD100の絞りを
コントロールする機能は無い。
絞り固定、ストロボの発光量と距離で調節することになる。
きわめて原始的なカメラに逆戻りである。

当然感度の変更も出来ない。最低感度のISO200に予め設定することにした。
絞りはとりあえずf8固定で計算してみる。
SB-105のISO100時の水中でのガイドナンバーは11と取扱説明書にある。
それから換算して下記の発行量毎のGNを算出した。
通常はGNを距離で割って絞りを決定するのだが改造ハウジングは
距離により発光量を調節することになる。
不便なようでは有るがデジカメなので結果はすぐわかる。
撮影後モニタ−を視て距離調節をすればいいだろう。
水中では不確定要素が多いのでまあこんなものでいけると想う。
もしもの時の為にNikonos-Vをビルトインさせるのでなんとかなりそう。
まったく使い物になりそうも無いときはF4仕様にいつでも戻せるので....。

ISO 200 f8 

GN

m

FULL

16

1/4

8

1

1/16

4

0.5
+ワイドアダプター    

FULL

11

1.4

1/4

5.5

0.7

1/16

3

0.4
 

沖縄での試写、概ね良好でした。

水中写真は短焦点のレンズが主流です。
その理由は上にも書きましたが水の屈折率で約4/3倍に拡大されるからです。
近接撮影に関してはプラスに働きますが大きな被写体、水中風景などには
マイナス要因です。距離をとれば宜しいかと思われる方もおりましょうが
水の密度などなどにより空気中とは比べものにならないほど条件が悪いです。
数メートルも離れると朧気になり青の世界になってしまいます。
 
18mmのデジカメレンズは水中では36mm相当です。
近距離で人物を頭から足先まで撮るには少々苦しいです。