Delphinus

イルカ座

夏の夜空を見上げたとき、わし座のアルタイル(牽牛)の
東で輝いている小さな星座です。
注意深く眺めていればかならず見つかると思います。
 
イルカはギリシアでは神聖な動物でした。
それは船乗りたちに航海の季節を教えたのと、
海神POSEIDONの使いであると信じられていたためです。
POSEIDONは女神アンフィトリーテを妃に迎えたいと思いました。
しかし彼女は恥ずかしがって海中深く逃げていってしまいました。
POSEIDONはイルカを使者にたてて思いのたけを伝えました。
アンフィトリーテは漸く承諾してPOSEIDONの妃となりました。
イルカはこの功により星座にあげられたと伝えられています。
 
別の物語では音楽の名手アリオンを助けたイルカとなっています。
またヘシオドスが殺されたときに亡骸を運んできたイルカ伝説もあります。
ここでは物語の全貌を掲載いたしません。
興味のある方はギリシア神話を読んでみてください。
トランプのダイヤ型に並んだ形は西洋では聖書の「ヨブの柩」
アラビアでは「乗用の駱駝」、中国では「瓠瓜」(ホウカ・瓜の畑)
日本では菱星などと呼ばれていました。
静岡のある地方ではツトボシとも言うそうです。ツトとは納豆を包む藁つとです。
 
γ星(図左上)は二重星です。口径5cmくらいの望遠鏡で橙色と黄緑のふたつ
の星が並んでいるのが判ります。
その右側がα星スワロキン、またその右下がβ星ロタネブです。
このふたつの星の名前は長い間謎でした。多くの天文学者や言語学者が
その意味に頭を悩ませていました。......
 
ピアッジ(伊)という天文学者が自分の助手 Nicholaus Venator の
姓と名を分けてその綴りを逆にして命名したのでした。