我が愛しの鉄人28号
「鉄人28号」は光文社の雑誌「少年」に昭和31年7月より連載が開始された。
16年のロングランでした。しかし当初は、あまりパッとせずに早々に打ち切りが決定。
作者が辻褄あわせの為にめちゃくちゃに暴れさせたところ人気が出てきて続行となった。
やがてアトムと共に「少年」の二枚看板の一つとなった。
当初はSFともロボット漫画とも呼ばれず探偵漫画と銘打たれていた。
ラジオドラマ(主題歌は「鉄の鎧に身を固め今日も飛び行く大空へ・・・・・・」)化され
TV映画(実写もの、しかしドラム缶を繋ぎ合わせたようなボディで似ても似つかなかった)
も作られた。

 
 衝撃の事実!...鉄人は小型ロボットだった。
いまでこそ巨大ロボット物の元祖のように云われているが
実は、鉄人は高性能小型ロボットであった。
それを裏付ける敵の会話が恐竜ロボットの巻にある。
「これだけのロボットが出来ていながらどうして鉄人をねらうのだ」
「はっ、大きすぎるのであります」
「小さくすればいいじゃないか」
「現在の我が国の科学力ではこれだけ縮めたので精一杯であります。こう大きいと
いろいろ欠点が出てきます。例えば動作が素早くできないとか、空を飛べないとか・・・・・・
鉄人は恐竜ロボットよりもはるかに小さいのに力は殆ど変わりません」

 鉄人28号の元題は鋼鉄人間28号だった。(1996年のエッセイより)
タイトルが長すぎるとの理由で「少年」編集部が鋼と間を取り鉄人と縮めてしまった。

編集中
 金田正太郎の名前の由来は金田正一だ。

編集中

鉄人の大きさは?
作者は設定を全くせずに書き始めたと想える。(おおらかな時代であった)
故に場面々々により、異なるサイズおよびデザインの鉄人が存在する。
正太郎等人物との比較、また背景等から推測をして最小と最大を割り出した。
 

最 小

最 大

算 出 基 準

身 長

2m

20m

正太郎の身長を1.5mとする。
鉄人を人間(私)と相似形とする。
鉄の密度7.86
外装、ボディ内の金属占有率を50%とする。

体 重

1.3t

400t

三本目の国産アニメ
昭和38年10月20日から42年5月25日までフジテレビ系で放映された。
出来映えは正直云って不満であった。鉄人自体が不格好であり動きもぎこちなかった。
(しかし毎週欠かさず視ていた)
今思えば当時のアニメ技術と予算では、それで精一杯だったのだろう。

 
スポンサーはグリコだった。主題歌のラストに「グリコ、グリコ、グ・リ・コ・・・」と
スポンサー名の三連発があり歌詞を充分知らない者も、そこだけは大声で歌った。
(ジャングル大帝もこれを真似て「サンヨー・サンヨー・サンヨーでんき」と叫んだ)

グリコ製品には特別サービス券が入っていて、
それを集めると鉄人スタンプが貰えた。
また、鉄人シューズ、鉄人バッグ、
ハンカチーフ等のキャラクター商品もあった。

テレホンカード(左)
TOYOTA中古車まつり用
知人がくれました。

キングレコードのトレカ
表(下左)・裏(下右)

提供 稲葉小僧さん

上のカードの裏側に鉄人の全高と重量とがある。
この数字は思いつきで記されたものと私は断定する。
身長10mの人間がもし存在できるならば
その重量は20t前後となる。(体積比は線分比の三乗)
それよりも非常に軽量である。
3tの鉄で10mの鉄人をもし作ったならば
装甲の厚さは5cm未満で中身は空洞である。
 
操縦機
漫画本では操縦機であったが主題歌にはリモコンという言葉が採用された。
しかし当時リモコンはワイヤードリモコンを指し、ワイヤレスはラジコンと云うのが
プラモデルの影響を受けた少年達の認識であった。
漫画本では操縦機の二本の角状突起はアンテナであり、押し釦を操作していたが
アニメではコントロールスティックとして扱われていた。
これらに違和感を覚えたのは少数では無かった。。